君たちに明日はない #2-3
#2 去り行く者
陽子につけられた「GP」はグレーポジション、即ちどちらかというと辞めさせなくてもいい人のことだった。「GPで退社の意志の無い人は、近いうちにリストから外す予定」という機密事項を陽子に話してしまう真介。いま陽子に退社の意志を固められると困ると思ったからと言い訳してたけど、それだけならもっとビジネスライクに話を進めることもできたはず。
会社に内密にしてもらう口止め料として食事代金を出した真介に「今夜の分は今度何かでお返しさせて下さい」と言った陽子は、「じゃぁお返しに」とエレベーターの中でブチュッとキスをされ、バカにすんなと殴る。このへんはオバフォーになっても、いかにも田中美佐子。
真介は「今度お返し」「エレベータ」というのが、順子と付き合い始めのキッカケと重なっちゃったみたいだね。でもいきなりキスは反則だって。でも陽子は怒りながらも、誘われた久保田のライブに行ってるし、満更でもない？
仕事の方はというと、今度のクライアントはファイトミュージックという音楽事務所。方針が違いぶつかってばかりいる大物プロデューサ2人のどちらかのクビを切る。石井@田中哲司はあくまで数字重視。でも誰よりも会社のコトを考えている。黒川@中村育二はいかにもクリエイティブ畑。「俺達は感動を売ってる」と、才能と情熱と愛を強調。でも年度末での数字の辻褄は合わせてる。
2人の人生を背負うことになった責任の重さに、トイレで吐いてしまっても、クライアントの前では顔には出さず冷静な真介。下した結論はクビを切るのは石井。最終的な決め手はアンケートで「プロデューサが同業他社に移る場合、一緒に移籍するか」という問いに、黒川担当のミュージシャンは全員が移籍すると答えたこと。石井を残した場合「経営は安定しても人材という財産は増えない」と判断。
田中哲司ってこういう、血の通ってない人物を演じることが多いんだけど、今回はクビを宣告する社長@伊武雅刀に「社長の決断には従います。今まで本当にお世話になりました。」と頭を下げてたよ。ホントにクビを切る必要があったのかなぁ。2人をどうにか説得して、ぶつからないようにすることは出来なかったの？
真介が居酒屋で隆志に愚痴るところは、真介の人となりを理解できるからいいんだけど、陽子とのラブ話は、今のところ必要性がわからないなぁ‥‥。
#3 二億円の女
今回のクライアントは満天百貨店の新宿本店外商部。大金を稼ぎ出す営業マンもいるけど、問題児も集まっている。会議の様子を見ると、確かに使えなさげなおじさんばっか。そのシワ寄せが倉橋なぎさ@内山理名と鳴沢@袴田吉彦にきていて、なぎさは二億円、鳴沢は二億二千万円のノルマに押しつぶされそうになっている。
今回はほとんど、なぎさが主役。ノルマが大きすぎて仕事が楽しいのを通り越してしまった。忙しすぎて彼氏もできない。別に好きな訳じゃないけど鳴沢が結婚すると聞くと複雑な気持ち。会社は不況だからとリストラを進め、その面接官がなんと、最近ちょっとトキメイタ人だった‥‥。そりゃ「誰かが辞めなければならないなら、私辞めます。」と辞表を出したくなるよね。それは真介が考えたように「デキる人はどうにかなるってビジョンがある」訳ではなくて、本当に投げ出したくなっちゃったんだと思うよ。
それは陽子も同じ。会社に愛想を尽かして辞める決心をした。こちらこそ年齢もあるし「どうにかなるビジョン」なんてある訳ないのに。
幸いになぎさは、貴金属売場に配置転換して働くうちに「デパートで働きたかった」という初心を思い出したようで、また仕事への楽しさも思い出しそう。
真介はというと。久保田のライブ（NHKらしくNHKホールだったよ）に駆けつけて、陽子に逢った途端に倒れて救急車で運ばれた時に、朝まで枕元で看病してもらったお礼にと、満天百貨店で買ったネックレスを陽子に贈った。いきなりの重いプレセントに引く陽子。「おばちゃん口説いてんの」「俺にとっては素敵な女性です」‥‥このへんのやりとりは面白いんだけど、やっぱり真介の仕事が主軸なんだったら要らない気がするなぁ。
会社のドアに「死ね」の落書きをされたり、3年前にはリストラした人が自殺したりとストレスの多い仕事で、無条件に甘えさせてくれる人を心のどこかで求めているのだと分析する隆志。「実際、おばはんな訳だろそのおばちゃん」って台詞は、その通りなんだけどおばちゃんにはズシーンとくるぞ。とにかく、だから陽子が必要‥‥という流れなんだけど。
結局、ネックレスは返品して「俺たちに明日はない」のDVDを買ってもらった陽子。ボニーとクライドか。（とか言って、ちゃんと観たことないんだけど）
第1話でリストラした陽子の元上司の平山@村田雄浩が「よくも騙してくれたな」と街中で殴りかかってきたよ。何が「騙した」なのか。森松ハウスの案件はまだ長引きそう。
